こんな症状の方へ
頚椎椎間板ヘルニア(頚椎椎間板からの痛み)
腕・手の痺れ(頚椎ヘルニア・椎間板ヘルニア)
人間の頭部を支えたり、向きを変えたり、動かしているのが首の筋肉と頚椎です。
この頚椎は7つの骨から構成されています。人間は進化の過程で直立二足歩行を行なうようになったため、頭部が身体の1番上にくるようになりました。
しかし、顔は前へ向かっているため、頭は体より前方へシフトしやすくなっています。人の体は目が向いている方向に顔が動き、それにともなって頭の位置も移動していきます。パソコンが普及した現在では、パソコン作業を行なう仕事も増えてきています。多い人では日に10数時間以上もパソコンに向かっている人もいます。
頚椎は正常であれば前方に弯曲しており、その弯曲によって頭の重みを分散させるような形をしています。しかし、頭が前方へ移動した姿勢が長く続くと、弯曲はなくなり、ストレートな状態になってしまいます。ときには、前方ではなく後ろにカーブを描くような弯曲を作ることもあります。
このように、首の関節がストレートや後ろに弯曲してしまうと、首は正常の位置よりも前に倒れてしまうため、首を後ろに引っぱるために肩や首の筋肉がいつも以上に緊張をしなければならない状態になってしまいます。
そのため頚椎の前弯が減少し、ストレートな状態になると首や肩のコリだけでなく、頚椎の椎間板や関節に負担がかかるようになります。悪い状態を放置しておくと、寝違えを起こしやすくなったり、腕や手にしびれを引き起こしたりすることがあります。首の状態を改善させ、弯曲を正常に戻していく治療で症状を安定させていくことができます。
●椎間板からの痛み(頚椎ヘルニア・椎間板ヘルニア)
頭は男性で約5kg、女性で約4kgにもなります。頚椎の前弯が減少すると首はまっすぐになり、クッションの役割をする椎間板は十分働かなくなります。このような状態で強い圧迫が加わると、椎間板は変形して損傷しやすくなります。何か強い衝撃が加わった時に、椎間板の中にある髄核と呼ばれるジェル状のものを押し出そうとする力が加わり、椎間板の線維が損傷して椎間板がふくらんだようになります。この状態をヘルニア(頚椎ヘルニア・椎間板ヘルニア)といいます。このふくらみが神経とぶつかり、腕に強いしびれを引き起こすこともあります。
また、椎間板の前面表層には知覚がありますので、椎間板自体の損傷は痛みを感じます。
原因 | 事故・スポーツによる外傷・加齢 |
症状 | 手指や腕の皮膚の感覚がおかしい。電気が走るような痛みが手に走る。握力の低下がおこったりします。朝起きたときに痛みが強く、痛みのため眠れない事もあります。 |
悪化要因 | 首の動き・くしゃみや咳など |
軽減要因 | 入浴・腰の軽い運動・ストレッチ・精神的なリラックス |
痛みの特徴 | 電気が走るような痛み(神経痛)・刺し込むような首の痛み・ズキズキした痛み |
●カイロプラクティック治療
『椎間板ヘルニア』と『腕・手のしびれ』などの症状との間に関連性があるかどうか。
これが重要なポイントになります。
MRIなどで椎間板の膨隆などがあれば、診断名として『椎間板ヘルニア』となってしまいます。
しかし成人の6割近くの人が、何らかの『椎間板ヘルニア』を持っていますが、そのうち何の症状もない健康な方が多くいます。
症状のある人に、『椎間板ヘルニア』があると原因はこれだとなることが多いようです。
しかし『椎間板ヘルニア』がある人に、自覚症状がまったくないと説明ができないわけです。
そこで検査によって関連性を鑑別していきます。他の問題が同時に起きている場合もあります。
急性期などは変形性関節症(DJD)との鑑別が難しいこともありますが、
頚椎ヘルニア治療・椎間板ヘルニア治療の方針に大きな違いはありません。
『椎間板ヘルニア』は、大なり小なり椎間板が損傷することでおこります。
そのためどのような状態になっているかを鑑別する必要があります。
<頚椎ヘルニア・椎間板ヘルニアによるふくらみが神経を圧迫している場合>
○どのような首の動きで悪化するのか?
・そのときにどのような悪化過程をたどるのか?
○ 逆にどのようなときに軽減するのか?
・そのときにどのような軽減過程をたどるのか?
頚椎ヘルニア・椎間板ヘルニア治療の
第1選択・・・神経の機能を最優先させること。
第2選択・・・神経の異常がない場合に関節の可動性・筋肉の状態などを整えていくこと。
神経を最優先するために、問題がおこっている関節ではなく、その上下の関節を治療する必要があるかもしれません。
その場合には、しっかりとした説明(インフォームドコンセント)をしますのでご安心ください。
椎間板前面の表層には知覚があるために痛みを感じることがあります。
このような場合は、症状が軽減する方向を指標にした治療方針をとります。
どちらにしろ、カイロプラクティック治療によって正常な可動性(動き)を取り戻す必要があります。
問題となる椎間板へのストレスを軽減させることで、椎間板ヘルニアの影響を少なくするためです。
また頭の位置がおよばす影響も大きいため、全身的な治療がおこなわれることもあります。
急性期で何をしても症状が変化しない場合、牽引や物理療法などの対症療法となります。
ときにはカイロプラクティック治療には適さない場合もあります。そのような場合は医師に照会いたします。
当クリニックには提携機関があり、レントゲンやCTでしたらすぐ近くで撮影することができます。
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